2011年 《第21回》 新人賞:上敷領 藍子
上敷領 藍子
かみしきりょう あいこ
/ ヴァイオリン
プロフィール
7歳よりヴァイオリンを始める。2011年青山財団より新人賞を受賞。2013年マーストリヒト音楽大学の卒業試験にて高い評価を得、クムラウデを受賞し、ディプロムを取得。現在、同大学大学院にてボリス・ベルキン氏に師事。
受賞者のひとこと
小さな頃からよく演奏会を聴きに訪れていたバロックザールで、いつか演奏できたらいいなと思ってから約10年、やっと舞台でリサイタルをさせて頂ける日が来て、それが新人賞をいただけることになったと知った時、一気に今までお世話になった先生方のお顔が浮かび、感謝の気持ちで胸が一杯になりました。そのリサイタルのときのエピソードのなかで、とてもご縁を感じることがいくつかありました。なかでもとても印象に残っている出会いがありました。5年ほど前、東京藝大の学食で、お散歩途中に人休みしているご高齢のおばあちゃんと出会い、色んなお話をお聞かせ下さいました。私がヴァイオリンを勉強していることを知り、いつか演奏を聴かせてねとご自分の住所と趣味でヴァイオリンを製作される息子さんの住所を教えて下さいました。それから数年経ったバロックザールでのリサイタルの後、ご来場下さった方々の一覧の中に偶然、おばあちゃんの息子さんのお名前を発見しました。おばあちゃんから私の名前を聞かれたのではなく、たまたま別の経路でリサイタルのことをお知りになり、お越し下さったのです。それまでお目にかかったことがありませんでしたが、コンサートの日にご自分で作られた素敵な木製の写真立てをプレゼントしてくださり、とても嬉しかったのを憶えております。このリサイタルが引き寄せた偶然と出会いは他にもあり、私にとってかげがえのない舞台として記憶に残っております。
※プロフィールは受賞当時のものです