お知らせ

2022.01.26

2021年度 第31回青山音楽賞が決定いたしました。

2021年度 第31回青山音楽賞受賞者は下記の通りです。



新人賞(2名)


荒井優利奈(ヴァイオリン)


受賞公演:「荒井優利奈 ヴァイオリンリサイタル」 2021年07月28日(水)
【評価】天性、人を惹きつけるものを持ち、優れた技術と音楽性を兼ね備えたヴァイオリニスト。真に有能なソリストのみが持つ、情熱に満ちたスケールの大きな音楽で会場に至福の時が流れた。

荒井優利奈 青山音楽賞新人賞

1994年生まれ。
第5回 ヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリンコンクール優勝及びLithuanian Jewish Community賞、Lithuanian national philharmonic賞受賞。第69回プラハの春国際音楽コンクール第2位。第14回ヤング・ヴィルトゥオーゾ国際コンクール室内楽部門第1位。アルテュール・グリュミオー国際ヴァイオリンコンクール第1位、等多数受賞。
これまでに名古屋フィルハーモニー交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、ルーマニアミハイル・ジョラフィルハーモニー、リトアニア国立フィルハーモニーオーケストラ、プラハ放送交響楽団 、上海クァルテット、上海シンフォニーオーケストラ、ポーランド・バルト・フィルハーモニック、新日本フィルハーモニー交響楽団、山形交響楽団等と共演。
これまでに、岩崎能子、加藤瑞木、P.アモイヤル、G.プーレ、F.アゴスティテーニ、玉井菜採各氏、現在、D.シュヴァルツベルク、室内楽をJ.マイスル各氏に師事。
東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部卒業。ウィーン国立音楽大学修士課程にあたるMagistra artium を最優秀の成績で修了し現在同大学ポストグラデュアーレ課程に在籍中。2017、18年度公益財団法人ロームミュージックファンデーション奨学生。2020、2021年度明治安田クオリティーオブライフ文化財団海外音楽研修生。一般財団法人ITOHより1721年ピエトロ・グァルネリを貸与されている。


水野優也(チェロ)


受賞公演:「水野優也チェロリサイタル」 2021年12月22日(水)
【評価】この若さにして実に豊かで柔軟性に富んだ表現力を持つ逸材。確固たるテクニックと色彩豊かな表現力を駆使し、息を呑む程の圧倒的な感動を生む名演を披露した。
水野優也 青山音楽賞新人賞

1998年生まれ。
第89回日本音楽コンクールチェロ部門第1位及び岩谷賞(聴衆賞)、黒栁賞、徳永賞、全部門を通じて最も印象的な演奏に対し贈られる増沢賞を受賞。第13回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。第23回コンセールマロニエ21弦楽器部門第1位。
ソリストとして東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、大阪交響楽団などと共演。国内各地でのソロリサイタルをはじめ、PMF2017、武生国際音楽祭、いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭、Music Dialogue、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」、テレビ朝日「題名のない音楽会」などに出演。
江副記念リクルート財団、ローム ミュージック ファンデーション、各奨学生。
これまでにチェロを河地正美、常光聡、倉田澄子の各氏に師事。特待生として桐朋学園大学音楽学部ソリスト・ディプロマ・コース修了。現在、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学にてミクローシュ・ペレーニ氏のもとで研鑽を積んでいる。
ジャパン・ナショナル・オーケストラメンバー、シャネル・ピグマリオン・デイズ2020/2021参加アーティスト。


青山賞(1名)


山本由美子(ヴィオラ)


受賞公演:「山本由美子 ヴィオラリサイタル」2021年11月05日(金)
【評価】曲の表現の世界を隅々まで考察して的確に捉え、豊かな瑞々しい音楽性と、全てを許容し、あたたかく包合するかのような深い音色により、多くの聴衆の琴線に触れる印象深い演奏となった。
山本由美子 青山音楽賞青山賞

1964年生まれ 東京都出身。
桐朋学園大学音楽学部にてヴァイオリンを篠崎功子、室内楽を岩崎叔、青木十郎、黒沼俊夫に学んだ後、デトモルト国立音楽大学、ケルン国立音楽大学マスターコ-スにて、ヴィオラをブルーノ・ジュランナ、ライナー・モ-ク、今井信子、室内楽をアマデウス弦楽四重奏団に師事。ドイツ・カンマーアカデミー、ケルナー・アンサンブルのメンバーとしてヨーロッパ各地で演奏会、レコード録音などを続けた後帰国。札幌を経て京都へと活動の地を移し、神戸女学院大学音楽学部、京都市立芸術大学音楽学部、相愛大学音楽学部で教鞭をとった。
現在、ソリスト、室内楽奏者として各地で演奏するとともに、カナダ、ヴィクトリア大学音楽学部で公開講座を持つなど、教育にも積極的に取り組んでいる。
1970年西日本学生音楽コンクール、81年ウォルフガンクホックコンクール第一位、82年ジュネ-ブ国際コンクール銅メダル。98年度バロックザール賞受賞。1983年西ドイツ国家演奏家資格試験に合格。



バロックザール賞(2組)


中村太地(ヴァイオリン)× 辻本玲(チェロ)× 佐藤卓史(ピアノ)


受賞公演:「中村太地×辻本玲×佐藤卓史ピアノトリオ スペシャルメンバーによる至福の饗宴」 2021年09月20日(月)
【評価】幅広くクリアな演奏力の素晴らしさは勿論、3人の音楽観が一致し、若々しい喜びが溢れるような生命力(躍動感)と共に人間的な深みも同時に湛えた演奏を披露し、聴衆を感動のるつぼに招いた。
中村太地×辻本玲×佐藤卓史青山音楽賞バロックザール賞
左から 中村太地/辻本玲/佐藤卓史

2019年結成。以後共演を重ね、2021年9月には5日連続公演(松山・長崎・北九州・京都・東京)を成功させた。

中村太地(ヴァイオリン)
2017年ブラームス国際コンクールヴァイオリン部門で日本人初優勝。福岡県立小倉高校卒業後渡欧、ウィーン国立音大、エリザベート王妃音大(ベルギー)で学ぶ。使用楽器は1738年製グァルネリ・デル・ジェス“ソフィー・ハース”(北山コーポレーション・北山英樹氏より貸与)。

辻本玲(チェロ)
第17回青山音楽賞新人賞、第25回同青山賞、2009年カサド国際コンクール第3位(日本人最高位)ほか受賞多数。東京藝大を経てシベリウスアカデミー(フィンランド)、ベルン音大(スイス)に留学。使用楽器は1730 年製作のアントニオ・ストラディヴァリウス(NPO法人イエロー・エンジェルより貸与)。現在NHK交響楽団首席チェロ奏者。
公式サイト rei-tsujimoto.com

佐藤卓史(ピアノ)
2007年シューベルト国際コンクール優勝ほか受賞多数。東京藝大、ハノーファー音大、ウィーン国立音大で学ぶ。シューベルトピアノ曲全曲演奏に取り組むほか、作編曲の分野でも活躍中。
公式サイト takashi-sato.jp


くぼった打楽器四重奏団


受賞公演:「くぼった打楽器四重奏団演奏会」2021年12月05日(日)
【評価】各奏者の技量が非常に高度で、かつよく練り上げられた圧巻のパフォーマンス。打楽器アンサンブルの可能性と魅力を聴衆に伝えようとする一途な奏者達の熱意が聴衆に伝播し、大きな感動を与えた。
くぼった打楽器四重奏団
左から 窪田健志/相川瞳/秋田孝訓/上原なな江

窪田健志(打楽器)/相川瞳(打楽器)/上原なな江(打楽器)/秋田孝訓(打楽器)

相川瞳、秋田孝訓、上原なな江、窪田健志による打楽器カルテット。2003年に東京藝術大学打楽器科有志による打楽器アンサンブル演奏会に出演を機に結成。学内芸術祭などで演奏を行う。その後、都内の音楽鑑賞教室を経て、2010年に長野県上田市セレスホールにて旗揚げ公演を行い、800席満員の聴衆を魅了する。

主宰の窪田が名古屋フィルに入団したことをきっかけに愛知県でも定期的に演奏会を開催。その他の都市でも公演を行い、2021年には吹奏楽の専門誌「バンドジャーナル」にて表紙&巻頭特集を飾る。また同メンバーで録音したMarimba Spiritualは「レコード芸術」誌上で「気合いとエネルギーの音楽と捉えられがちなこの曲が、驚くほど繊細な音楽として表現されている」と評された。

パートを固定せず、フレキシブルに対応するアンサンブルとして活動している。それぞれの活動を演奏に還元し、既存の作品の他、クラシック曲のアレンジや、オリジナル曲の開拓等、打楽器アンサンブルの発展と普及に努めている。