青山音楽賞歴代受賞者

2024年《第34回》新人賞:井上 玲

井上 玲

いのうえ れい

/ リコーダー

1998年、大阪府出身。幼少より古楽に関心を抱き、8歳よりリコーダーを、11歳よりフラウト・トラヴェルソを始める。東京大学を卒業後、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程(音楽文化学専攻)を学科首席で修了。最優秀の成績を表彰する大学院アカンサス音楽賞を受賞し、修了式において同賞の総代を務めた。修士論文『17世紀後半から18世紀前半にかけてのリコーダーとフルートの編曲文化──パリとロンドンの音楽愛好家の活動を中心に──』は高い評価を受け、2023年3月の学内論文発表会、および同年5月の日本音楽学会東日本支部定例会に推薦を受ける。

一方で演奏においても中学在学中よりコンクールでの受賞を重ね、2011年第17回KOBE国際音楽コンクールにて奨励賞、高校では2014年第2回兵庫県リコーダーコンテストで金賞・兵庫県教育長賞、および同年第35回全日本リコーダーコンテストで金賞を受賞。2019年、第32回国際古楽コンクール〈山梨〉旋律楽器部門で第3位(第1位なし)。2021年にはドイツ・マクデブルクで開催された第11回テレマン国際古楽コンクールにて第2位および聴衆賞を受賞。審査委員長を務めたフラウト・トラヴェルソ奏者バルトルド・クイケン氏をはじめ審査員からの激賞を受けた。本選でライプツィヒ・バロックオーケストラと共演した演奏は収録され、ドイツのラジオ局 MDR KULTURより放送された。

これまでにリコーダーを山岡重治、庄野龍夫、フラウト・トラヴェルソを前田りり子、庄野龍夫、音楽学を大角欣矢、室内楽を大塚直哉、野々下由香里、鈴木秀美、福澤宏、若松夏美の各氏に師事。またバルトルド・クイケン、ケース・ブッケ、ワルター・ファン・ハウウェ、ペーテル・ファン・ヘイヘン、パトリック・デネッカー、ダニエル・ブリュッヘン、ダン・ラウリン、グレン・ウィルソンの各氏ら国内外の演奏家から定期的に指導を受け、研鑽を積む。
現在は気鋭のリコーダー奏者として東京と大阪を中心とした演奏活動を展開している。2023年、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」に出演。2024年、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール(大阪)でのリサイタルでは6つのリコーダー協奏曲を一夜で吹き切り、大手新聞各社に取り上げられた。同年12月には東京・紀尾井ホール「紀尾井 明日への扉」第41回として同ホール主催初のリコーダー・リサイタルを開催。いずれも大きな反響を呼んでいる。また、所属するアンサンブル「サラベルデ・コンソート」をはじめ、室内楽にも積極的に取り組んでいる。

※プロフィールは受賞当時のものです